★バティックは、インドネシア・ジャワ島に伝わるロウケツ染め(蝋で防染する)の更紗布です。
日本でも、「ジャワ更紗」と呼ばれ、江戸時代から舶来の美しい布として親しまれてきました。

主なバティックの種類
<技法>
●手描きバティック (Batik Tulis /バティック・トゥリス)
チャンティンと呼ばれる道具で蝋置きを行う、人の手で描き染めたバティックです。下絵→基本の線描き→細密模様→地模様またはブロック(地を染め抜きたい場合、蝋で埋めます)→染めの工程をそれぞれの職人が分業します。地域、工房によってはひとりの職人が行ったりなど、違いがあります。
一色染めては、また蝋を描き足し、染め、色を重ねていきます。重ねることでは表現できない色は、一度全て蝋を落としてから、また蝋を置き、染めを繰り返します。
手描きの蝋置きの作業を担うのは、多くが女性です。
●型押し染めバティック(Batik Cap/バティック・チャップ)
蝋置きを銅で作られたチャップで行います。ひとつの文様にも、色分けするためには数種の版が必要です。型押しの作業は、多くの場合男性です。型を作るのにも専任の職人がいます。
※以上のふたつの方法を両方用いたKombinasi/コンビナシもあります。

<用途>
●腰布
大まかに「Kain Panjang/カイン・パンジャン」と「Sarung/サルン」があります。布地幅は100〜105cm、長さはカイン・パンジャンが約200〜250cmです。サルンは長さ約170〜200cmで、巻いたとき前に来る部分に、50cm前後のボーダー状の別柄(Kepala/クパラ)が入るよう構成されています。両端を縫い合わせ、輪にした状態で着用します。
それ以外の柄構成はほとんどカイン・パンジャンと呼ばれ、縫い合わせず、1枚の布の状態で巻きます。単一の文様や「Pagi Sore/パギ・ソレ」(巻くときの布の方向の違いで出る柄を変えられる)、端にTumpal/トゥンパル(鋸歯文様)が入ったものなどもあります。
●肩掛け
Selendang/スレンダンといいます。幅はおよそ50cm、長さは150cm〜200cmほどです。ほとんどは腰布と対に作られ、文様も腰布とほぼ同じように仕上げられます。
正装ではスレンダンを着用することが多いですが、略式や、地域または目的などの違いで着用しない場合もあります。タペストリーとしてインテリアを飾るのにほどよいサイズでもあり、人気があります。
※そのほか、Kemben/クンベン(胸当て布)、Ikat Kepala/イカット・クパラ(頭巾布※バリ島ではUdung/ウダン)、Gendongan/ゲンドンガン(抱き布)、また祭壇布や装飾布(テーブルクロスや額装用など)、スカーフ、ハンカチ、さらに最近では初めから洋装の服地用として染められているものなど多岐にわたります。


バティックの素材について(木綿)
基本的にはバティック専用に織られた木綿を使用します。細い糸で、打ち込みをしっかりと密に織った生地ほど上級とされます。表面がより滑らかで、染めが美しく仕上がるのです。また密に織った生地ほど、薄くても透けにくいという利点もあります。こうした質のよい生地は、使うほどより滑らかに、肌触りがよくなり、中にはまるで絹と見まがうほどのものもあります。
プリミシマという呼び名がよく使われますが、これは本来商標で、ジャワ島のプリミシマ社が製造する布のことです。ほかでもバティック用の生地は生産されており、輸入品も用いられていますが、現在、上級バティックに使用する綿布を通称でプリミシマと呼んでいることが多くなっています。ひとくちにプリミシマといっても、その中にもさらにランクがあり、また製造元により品質の違いがあるのが実情です。
当店では、実物を確認したうえで、上からプリミシマクラス、続いてプリミスクラス、プリマクラスの3段階に分けて表示しています。実際は、それぞれに微妙な差異がございますので、ご了承ください。特殊な場合には、商品ごとに説明を加えています。
※木綿以外のバティックについては、商品ページに表記しています。

バティックをより長持ちさせる取扱いについて
<木綿>
手洗いでお洗濯ください。なるべく漂白剤、蛍光剤を含まない洗剤をご使用になり、色落ち・色移りなどを防ぐため、単独で洗ってください。濡れたまま置かず、軽く脱水後、陰干しにしてください。シャンプーをご使用になるのも、色を長持ちさせるのに効果的です。
<シルク>
手洗い、またはドライクリーニングでお願いします。ドライクリーニングの際は、手染めであることをお伝えください。手洗いの場合は、色落ち・色移りなどを防ぐため、単独で洗ってください。濡れたまま置かず、軽く脱水後、陰干しにしてください。手洗いの場合は、シルク用洗剤を少量ご使用ください。気になるところだけつまみ洗いなどをして、あとはできるだけさっと洗い、よくすすいでください。
<木綿・シルク共通>
脱水を軽くし、伸ばして干していただければ、しわもあまり目立ちません。アイロンはアイロン指示通りの温度で問題ありませんが、かけ過ぎは布地を傷める原因にもなります。
ご使用に際しては、光により退色しますので、できるだけ引き出しやクローゼットに保管してください。クロスとしてお使いになる際は、光に当たる位置を時々変えるなど、部分的な退色を防ぐようおすすめします。

※おことわり
バティックには、その製作過程からどうしても染めのムラ、ロウの垂れなのによる染め抜け、シミがございます。こちらは若干の場合は良品としております。またロウ残りについても、ひどいものは取り除くなどいたしますが、こちらもどうしても多少残ってしまっています。また、手染め、少量生産という事情から、若干の布の織りムラや糸飛びなどについても、良品と扱わせていただいております。
以上を手作業による製品の味として、ご理解いただいたうえでご購入いただきますよう、お願いいたします。

★バティックは、服などに仕立てても、何年か経ってからまたほどいて使ったりと、丁寧に扱えばいつまでも愉しめる「更紗布」です。末永くご愛用いただければ、大変うれしく思います。